日本とロシアとの間には、第二次世界大戦の終了後76年が経過した今も未解決の領土問題(これを私たちは「北方領土問題」と呼んでいます)が存在しています。
北方領土学習について、文部科学省では、学習指導要領、学習指導要領解説で、小・中学生の教育内容として、北方領土の位置、ロシア連邦に返還を求めていることなどを取り扱うこととしています。また、北海道の公立高等学校入学試験(社会)では、毎年、北方領土に関する問題が出題されています。
北方領土が間近に見え、四島を追われた元島民の多くが居住する根室管内では、身近な地域学習として北方領土学習を取り入れ、昭和58年には小・中学校の教員が中心となって「根室管内北方領土学習研究会」を設立し、指導案の研究などがすすめられています。また、管内では関係団体等において次代を担う若い世代を対象に北方領土問題についての理解を深めるための行事等が開催されています。
この度、当根室地域本部と管内の教育関係機関により、根室管内における主な北方領土学習の取組等についてまとめました。管内に新たに着任される教員をはじめ、視察等で管内を訪れる教育関係者、北方領土に興味、関心のある児童・生徒など多くの方々に参考にしていただけると幸いです。
根室管内で北方領土学習に取り組んでいる団体等(2021年12月現在)
根室管内北方領土学習研究会
身近な地域学習としての北方領土学習の研究を通して、根室管内における北方領土学習の進展に寄与することを目的に設置され、北方領土学習の研究、成果の発表や交流、研究会、講習会等の開催、学びつぐ四島(研究大会の記録)の発行などを行っています。
会長 近藤 啓之(標津町立川北中学校 校長)
事務局長 瀬川 航平(羅臼町立春松小学校 教頭)
根室教育研究所
根室管内全体の教育についての研究を推進することを目的に設立され、北方領土学習講座(北方領土学習研究大会)の開催、研究紀要(「北方領土」学習実践事例集)の発行などを行っています。
詳細は、こちらをご覧ください。(根室教育研究所ホームページに移動します)
所長 佐藤 玲子(中標津町立中標津小学校 校長)
北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会(※)
根室案内北方領土学習会の活動を支援、北方少年少女塾、管内住民大会など北方領土問題の啓発事業なども実施しています。
会長 石垣 雅敏(根室市長)
※根室市、別海町、中標津町、標津町、羅臼町で構成
根室管内での北方領土学習の主な取組
根室管内北方領土学習研究会・根室教育研究所では、いつでも、どこでも、だれでもできる北方領土学習をテーマに、毎年根室管内の小・中学校で北方領土に関する公開授業、研究討議などを行っています。
根室管内北方領土学習研究大会/北方領土学習講座
北方少年少女塾
北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会では、根室管内の小・中学生を対象に北方領土関連施設の見学や元島民の講話を通じた北方領土学習を実施しています。(毎年5月から翌年2月までの間、北方四島交流センター、納沙布岬・北方館での北方領土学習など)
弁論大会(中学生)
根室管内のそれぞれの市町では、中学生を対象に北方領土問題等をテーマとした弁論大会を開催しています。2月7日の「北方領土の日」根室管内住民大会では、市町の代表者が発表を行っています。
エトピリカ文庫
北方四島交流センターでは、北方領土関係の図書・DVDなどを配架しています。貸出も可能です。